∞空想旅団∞回顧録~還らぬ翼たち~Volume1

∞空想旅団∞

2012年04月21日 21:13

昨日の夜

と言いましても 本日未明

午前3時過ぎ

予知夢とも思えるリアルな夢をみて
起こされた

それはさておき、「夢」というワードで

ここ18年程

全く思い出さなかった”ある記憶”が蘇った

私は

18歳の時に家族解散にて実家を追われ

地元を出て隣街へ移り住み
生活力もないまま 日々生きてゆくのに
精一杯な苦しい生活を送っていました

生きてゆくため色んな仕事をしました

造園工。自動車修理工、白蟻防除工、
果てはフレンチレストランのコック見習いまで。

23歳に現在の通信工の仕事につくまで
落ち着かず

あちこち転々としてましたが

中でも22歳の時の自動車納品工場にいた時のこと

そこも職場、人間関係劣悪で
3ヶ月もいなかったんですが

ある特別な出逢いがありました。

その方は67を超えた初老人だったんですが

言葉もハキハキとしてて、

とても清潔感溢れる「素敵なおじい様」という感じでした

そのおじい様は

その会社に”オブザーバー”的な位置で招かれている
らしく、才識ゆたかな話し振りでした。

また、笑顔が素晴らしい方でもありました。

自分は当時、

おじい様の様な年代の方(昭和初期生まれ)

に非常に興味をもっていました。

余り、褒められた理由ではありません

「船好き」が高じて 旧日本海軍に興味が大きくなって
いた頃で いろいろなことをかじっていた

特に、本土の戦争経験者の話を聞いたことなく
沖縄とは違った「本土の視点」からの
話を いつか聞いてみたいと思っていた。

おじい様は、太平洋戦争末期

米英の沖縄侵攻から国土を護るべく
小禄へ布陣した海軍の部隊で終戦を迎えます。

そのまま沖縄で一家を構えた本土人
「ウチナームーク」だそうだ。

海軍?

っと聞いて自分の眼は輝いた。

仕事は別業務で、中々話せる機会ないまま

1ヶ月、2ヶ月と過ぎていった・・・

3ヶ月たった ある晴天の日

おじい様と私は 1日 マンツーマンで業務を
することになった♪

新車を ディーラーから 工場へ運ぶ

ひたすら運ぶ

移動の車内は 話を伺う絶好の機会でした

始めは、会社に招かれた経緯などお伺いして
いたんですが

沖縄へ来た馴れ初めの話から
旧帝国海軍の話になった。

おじい様からみれば

「孫」のような年齢の私の口から

1式陸攻や2式飛行大艇という言葉が出てきて

驚きながらも おじい様の話は弾んでゆく・・・

若いのに、よく知ってるな!っと。

おじい様と戦時の世間話は延々と続く

山本海軍元帥の話や小沢海軍中将の話

果ては陸軍の今村中将の話まで

頃合をみて、私は切り出した

「○○さんは海軍で何をされていたのですか?」

おじい様は 私の目をジッと見た後
ニッコリ笑って こう言い放った。

「神風特別攻撃隊」だよ。


そこから

戦争の実映像を知らない自分の耳に入ってきたのは

”衝撃”

の 還らぬ翼たちの話でした

これは

ただの回顧録ではありません

雲ひとつ無い晴天の下

67歳と22歳

僅かな時間 人生の時間を奇跡的に
共有出来た 私達に待っていたのは

意外な結末でした

Volume2へ続く 


(空母飛龍。帝国海軍機動部隊中 最大の殊勲艦のひとつ)


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